常に時代を見据え新たな地平を切り拓いてきた名ドラマー、猪俣猛が、ジャズ・ロック黄金期に放ったもうひとつの傑作。『メソード』シリーズの1枚として制作されたいわゆる教則レコードなのだが、その音楽性はあたかも聴く者を挑発するかのように猛烈にファンキーでグルーヴィ。日本のジャズ・ロック発展の一翼を担った名グループ、サウンド・リミテッドを率い、変幻自在のスティック・ワークでグルーヴの限界を突き抜ける。”Runaway Child"や"Smack Water Jack"といったカヴァー曲から、アレンジでも参加している盟友・前田憲男作曲の"Sleeper"や"Seven Four"、また圧倒的な迫力で迫るドラム・ソロ"Drum Concert"まで、多彩な選曲を隙のない高密度のグルーヴで埋め尽くす。text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
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日本が生んだ超絶ファンキー・ドラマー、石川晶。ジャズとロックとアフリカン・ミュージックを縦横無尽に駆け巡り、融合させ、独自の音楽性を築き上げた手腕は多方面で高く評価されている。その経歴にはジャズ・ロック~レア・グルーヴの名作が並ぶが、なかでも抜群の選曲と痛快な音楽性で寵愛されるのが本作。フェラ・クティのアフロ・ファンクをタイトにカヴァーした"Let’s Start"、ドラム・ブレイクを散りばめたダイナミックな"Bongo Rock"、アヴェレージ・ホワイト・バンドの名曲をジャズ・ファンクに仕立てた"Pick Up The Pieces"など、1975年録音とは信じ難い驚愕のモンスター・チューンがずらり。杉本喜代志、鈴木宏昌、村岡建ら名手のサポートも光る。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
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